高野山『はたらく旅』紹介所

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高野山での住み込み仕事に参加した理由は何ですか？

　2025年4月から教員に戻る予定だったので、その前に自分のやりたいことをやって視野を広げたいという思いがありました。復職してからではできないような様々な仕事を経験するとともに、愛知県以外の場所にも住んでみたいという好奇心ですかね。

今までに住み込みのお仕事は何か所か経験されたのですか？

　はい、5回経験しています。2024年10月末から始めて、三重県の旅館や広島の農家、山小屋などを経験しました。その流れで高野山のお寺で働くという、普通なら経験できない仕事内容に惹かれて応募しました。

　教員に復職する前の短い期間ではありましたが、これらの経験ができたことで自分がやりたかったことは一通り満たすことができたと思っています。

雪景色の根本大塔は圧巻です

高野山の入り口である大門も迫力がありましたね

一度、教職から離れたことで気づいたことはありましたか？

　教員を辞めた後、一度営業職に転職し、その後は単発で工場勤務なども経験しました。加えて、住み込みの仕事で様々な場所を訪れ働く中で、やはり教員という仕事が自分に一番合っていると気づけました。営業などでは数字や業績を上げることが求められましたが、それよりも生徒の成長をサポートするほうが自分には向いていると感じました。

高野山のもう一つの入り口として有名な女人堂

 4月から復職する教員として、生徒に教えたいことはできましたか？

　そうですね、人生の選択肢にはいろんな道があるということを、自分自身の経験を通じて改めて実感しました。そのため、生徒たちにも様々な選択肢があることを伝えられたらなと思っています。

奥の院（中の橋駐車場前）

奥の院も雪道でしたが、神秘的でした

高野山の地域活性化について感じた課題などはありましたか？

　実際の高野山は外国人観光客が多く、インバウンド需要の高まりを肌で実感しました。ただ、今後より活性化させていくには、もっと日本人の訪問者を増やしていった方が良いのではと感じました。

高野山滞在は楽しかったですか？

　楽しかったです。自分が固定観念で考えていたお坊さんのイメージとはまったく違い、とても親近感を感じました。私は理科の教員で科学的思考になることが多いのですが、ある僧侶さんと話していると、お祈りという行為において、毎朝の勤行はルーティーンとなり、継続できることで自信がついて進んでいけるのだという、その方の考え方も教えていただき、興味深かったです。

　また宿坊寺院さんに修行に来る方の中には、趣味で来ている方もいて、そういう選択肢もあるのだと感じました。仕事中も掃除をしながら僧侶さんとこうした話ができて、初めは喋ってはいけないような厳かな雰囲気かと思いきや、みなさん気さくに接してくれたのでありがたかったです。

標高が高いので夕日もきれいに見えます

思い出に残っている出来事はありますか？

　高野山未来創造プラットフォームの社員スタッフや、他の参加者とご飯会をする機会があり、それが思い出に残っています。様々な経験をしてきた人と交流するのはとても興味深かったです。また、そういった交流の場で、高野山のイベントを教えてもらったり、メンバーと一緒にそのイベントに行ったりして交流が深まりました。

高野山の火祭りに参加した様子

おすすめしたい高野山のポイントは何ですか？

　奥の院で行われている生身供（しょうじんぐ）を見に行ったのですが、伝統的なものであると同時に、訪れた方々にお見せするという一種のエンターテインメントのようなものを感じて、非日常を体験できるのが高野山ならではだと思いました。また護摩行も炎の迫力があって素晴らしかったです。

荘厳な雰囲気の中、非日常を味わえました

この住み込みのお仕事はどんな人に合いそうですか？

　大学生に特におすすめしたいですね。様々な大人と関われますし、経営の視点を学ぶ機会もあり、視野が広がると思います。

　社会人になってからの人であれば、20代後半から30代くらいで一度キャリアを振り返るタイミングで参加すると、僧侶さんの話を通して得られる気づきがあるかもしれません。私自身も短い期間ではありましたが、とても有意義な経験ができました。

また訪れたい場所になりました