
未知の体験を求めて高野山に。住み込みではたらいたことで得た、町の人々との心の繋がり
プロフィール
【氏名】吉田 壱晟(同志社大学経済学部4年生、20代)
【職業】大学生
【業務内容】
・宿坊寺院における配膳、フロント業務、客室清掃等の運営補助業務
【時期】2024年10月上旬から3週間
- # 20代
- # 大学生
- # 好奇心
- # 就活
インタビュー内容
今回、高野山での住み込みのお仕事に参加されたきっかけは何ですか?
大学1、2年生ではコロナの影響で外での活動に制限がかかってしまい、それを経て大学4年生になりましたが就職後を考えると、まとまった時間が取れる機会もこれで最後かもしれないと思いました。
それで、もっと新しい事や未知の体験を求めて、高野山未来創造プラットフォームが募集する滞在型短期就労プログラムに参加しようと決めました。
どんな体験を期待していましたか?
未知の世界に足を踏み入れることに惹かれていました。そのため、高野山での経験は、他の場所では味わえない新鮮さと、歴史の深さを感じられるのではないかと考えていました。

社給の作務衣を初めて着た際に撮った一枚
「旅行」ではなく「働く」を選んだのはなぜですか?
働きながら滞在できるため、旅行と異なり資金面で心配がいらなかったためです。
それに、滞在していたからこそ気づいたことなのですが、働き先のスタッフの方々と町中で会った時に挨拶やお話ができたので、町の一員になれた感覚がありました。人とのつながりができるという点で、単なる旅行ではなく働きに来てよかったなと思いました。
高野山での短期滞在で感じたことは何ですか?
滞在する前の自身の生活習慣との違いから、別の人の生を生きている感覚を抱きました。早朝から作務衣を纏い、歴史的な街並みの中を走ったり、お坊さんと汗を流したり、様々な年代の方と交流したり等々…。これから先も長いであろう人生をいかにして送ろうか、そんなことを考える上でも、そうした刺激は案外重要な鍵となっています。
また今は大学四回生で休日続きの毎日だったので、忘れてかけていたことなのですが、働く日々があるからこそ、休日の幸福感も多く味わえて、充実するのだと実感しました。

高野山デジタルミュージアムのカフェ雫で食べた精進カレー
高野山ではどんなお仕事に携わりましたか?
仕事内容自体は客室の清掃や布団の上げ下げ等がありますが、特にお膳運びが印象に残っています。何段もお膳を重ねて持つのに最初は苦労しましたが、数週間もすれば慣れてきて、筋肉もついた気がします(笑)。お寺ごとに特色があるので、同じ作業でも新鮮でした。
滞在中に特に思い出に残っていることがあれば教えてください。
ある日、休日に約30㎞の山道コースを社給の電動アシスト自転車で走ったのですが、途中で行き止まりになり、Uターンして帰る道中、自転車の充電も切れてしまいました。
そんなとき、地元のご夫婦が親切にも車で自転車ごと高野山まで送ってくれて、本当にありがたかったです。それがなければ夜な夜な自転車を押して山道を帰るところでした。その方々の心の温かさは胸に沁みましたね。

30㎞の山道コースにて。
高野山の滞在を振り返って得たものを教えてください。
やはり人との関わりの大切さを実感しました。一人で訪れることの心細さがあったからこそ、現地の人々の優しさには、深く染みるものがありました。忘れられない経験です。
また、3週間滞在して働いていたことで、ある宿坊寺院の僧侶さんとは高野山を発った後も京都で一緒にお茶をするなど関係を築くことができています。

派遣先の宿坊寺院さんで仲良くなった僧侶の方との一枚
このプログラムをどんな人に勧めたいですか?
SNS漬けの毎日を「なんだかなぁ」と思っている人(私もそうでした)にお勧めします。
インフルエンサーの劇場ではなく、自分自身の劇場を人生に刻むことは、必ずや自身の「楽しい」を探す癖に繋がります。一風変わった高野山の地で、新しく出会う方々と交流できるこの機会は、そんな劇場の一幕に持って来いですぞ!
また高野山を訪れたいですか?
もちろんです。高野山で出会った方々がどうされているかも気になりますし、僕が就職した後でも、今回の旅で感じた人の温かさや、この時抱いていた初心を思い返しながら、また訪れたいと思います。
最後に将来の夢を教えてください。
なるべく心の向くままでいたいですね。理想は、土地を転々とし、多くの人間関係に励まされ、見たことや感じたこと、他愛もない空想などを資本に自分の生を最大限に謳歌したいです。

大門での餅まきイベント。また高野山を訪れたいです!