サッカーと仕事に明け暮れた20代。海外放浪の旅の先に辿り着いた高野山で、自分らしい自分と出会えました!
プロフィール
【氏名】淺田 あゆみ(20代)
【職業】フリーランス
【業務内容】
・宿坊寺院での配膳、布団上げ下げ、清掃、フロント補助業務
・新中の橋会館FOREST BLUEでのレジ、POP作成補助等
【時期】2024年5月中旬から3週間
- # 30代
- # キャリアチェンジ
- # プチワーホリ
- # 地方創生
- # 好奇心
- # 日常リセット
インタビュー内容
- 今回高野山にお越しになったきっかけを教えてください。
- 海外はどちらに行かれていたんですか?
- ご出身は?学生時代はどのように過ごしていたんですか?
- 新卒での就職先ではどんなお仕事に?
- 30歳が近づき会社勤めに区切りつけようとしたきっかけは?
- なるほど…世界一周という選択は何か変えたかったから?
- 高野山に辿り着いたのはどうして?
- 空海さんの教えで印象的なものを教えてください。
- 高野山ではどんなお仕事をされたんですか?
- 仕事の時間以外は?
- 淺田さんの表情から充実されていたことがよくわかります。色んなことが楽しかったと思えた1番の理由ってなんだと感じますか?
- 今の淺田さんに「高野山」がドはまりした感じですね。
- やっぱり1泊2日ではなく3週間の滞在だからこそ?
- ゆっくり滞在したからこそ得られた気づき・発見は?
- 高野山で出会った人との思い出・エピソードは?
- 今回の高野山の体験を総括すると?
- このインタビュー記事を読んでいる人におすすめポイントをどうぞ。
今回高野山にお越しになったきっかけを教えてください。
会社員を退職して海外を旅していた時、日本のことが大好きな海外の方と沢山出会い、日本人だからということで助けてもらうことが多々ありました。その時に、日本の素晴らしさを実感したと同時に、自分自身が日本のことをもっと知り、それを発信できるようになりたいと感じたことがきっかけです。
そういう経験をして帰国し、日本のことをもっと知ろうと、島根県のゲストハウスや広島県宮島の旅館などで働いたり旅する中で「再生」や「蘇り」というワードが私の中で引っかかっているのに気づきました。趣味で世界遺産の勉強をする中で、熊野古道や紀伊山地の霊場が印象に残っていたとき、まさにちょうど短期滞在型就労者を募集する求人サイトの募集を発見し、応募してみました。まちづくりや地域活性にも興味があったのもあり、求人を見つけた瞬間、「これだ!」と思いました。
島根県のゲストハウスで働いているときの淺田さん
海外はどちらに行かれていたんですか?
中南米とヨーロッパに行っていました。世界一周放浪の旅をするつもりで飛び出しましたね。新卒からずっと同じ仕事をする中で、一生この仕事をやるのはどうなんだろうと思うことがありました。明日死んでも後悔ないように生きたいと思い、30歳になる前のタイミングで決断しました。
ご出身は?学生時代はどのように過ごしていたんですか?
広島県で生まれ育ち、大学も、卒業後の仕事もずっと広島でした。転勤で約一年島根県に居ましたが、今また広島に戻ってきましたね。大学は広島大学の夜間に入学しました。部活のサッカーとアルバイトに明け暮れる日々で、4年生の時には全国大会にも行きました。勉強は二の次で、とにかく青春を謳歌してました。
社会人まではサッカーに明け暮れました
新卒での就職先ではどんなお仕事に?
求人広告の会社に営業として7年半勤めていました。ゴリゴリの営業で、広告掲載の新規開拓メインの仕事で朝から晩まで働いていましたね。
30歳が近づき会社勤めに区切りつけようとしたきっかけは?
社会人サッカーチームに所属していた時に足を怪我したのがきっかけです。当時、朝から晩まで仕事の日々が続き、筋トレや練習も十分に行えない日々が続いていたある日、練習試合中に膝の靭帯を切ってしまい一か月丸々入院することになったのです。そのとき病院にいたおばあちゃんと話をする中で、自分が死ぬ間際のことや、いろんなことを考えました。自分がどういうおばあちゃんになりたいかを考えた時に、生き生きしてるおばあちゃんはとってもポジティブで、楽しそうに過去の仕事のことを話してくれました。すごくいいなと思いました。そのときに、当時の自分のことを振り返ったら、なんか違うなって思ったんです。
その時から自分の中で何かがちょっと変わりましたね。死ぬまでに後悔ないようにしよう!と思いが強くなりました。世界一周はしたかったのですが、そのときちょうどいいタイミングで仲間が3人集って、リアルに行く日にちを決めたら、そこから一気に物事が動き出しました。
なるほど…世界一周という選択は何か変えたかったから?
なんというか、面白い人になりたいなと思って(笑)。もう少し言うと、小学校から大学までサッカーばっかりでずっと同じ景色、「変える」っていう選択肢を自分が取らなかったんです。漠然と視野を広げたい、自分の引き出しを増やしたいと思い、行動を起こしました。
海外から帰ってきて、自分の向かいたい方向性が「再生」、「蘇り」、「まちづくり」などのキーワードに絞られてきた感じです。ぼんやりとですが見えてきた中で、自分らしくいられる仕事を探すために、国内で様々な仕事に携わってきました。
高野山に辿り着いたのはどうして?
宗教や空海さんの教えを通じて、人として大事なことなどが改めて色々勉強になるかなと思いました。全く未知の新しい世界だったので、それも楽しみでした。空海さんの本を事前に買って2冊ぐらい読んだのですが、すごいいい教えだなと思って、それを実体験できるのは楽しそうだと思いました。
空海さんの教えで印象的なものを教えてください。
覚えてない…(笑)。あ、でも!高野山で過ごしてて「生かせいのち」という言葉を町でたくさん見ることが出来るんですけど、その言葉を町の人が体現してるのかなって思いました。町で出会う人、一緒に働く人が皆さん、めちゃくちゃ良い人ばかりで、空海さんの教えがあるからなのか!と感じました。
高野山ではどんなお仕事をされたんですか?
新中の橋会館「FOREST BLUE」でレジ業務メインで、合間にPOPの作成補助させていただいたり。宿坊ではお布団の上げ下げや配膳、清掃の仕事に就きました。
勤務していた宿坊寺院。配膳、清掃、布団の上げ下げに携わっていました
仕事の時間以外は?
仕事の時間以外は色々な修行体験やツアーに参加したり、同じような短期就労スタッフたちと一緒に居酒屋とかスナックとかいろんなお店に行ったりしました。あとは、観光センターで高野山観光の面白い本をたくさん読んだり、観光の人と話したり、山に入ってハイキングしたり、色々していました!
金剛峯寺で毎月21日に開催されている「僧衣試着会」
淺田さんの表情から充実されていたことがよくわかります。色んなことが楽しかったと思えた1番の理由ってなんだと感じますか?
なんなんですかね。わからないです。ただ、やりたいことがありすぎて、本当に3週間では足りなかったです。全てのコンテンツが面白かったです。
1200年間、奥の院で毎朝行われる「生身供」の儀式
居酒屋「今ちゃん」の涙巻き。わさびときゅうりの海苔巻きです
角濱のこまどうふシェイク。皆にオススメしています
今の淺田さんに「高野山」がドはまりした感じですね。
そうですね、今学びたいことがまさにここにあるという感じでした。仕事もですし、色々な体験を通じて、自分自身を磨いているような感覚もありました。滞在期間中、過去一番性格が良かった自分になれていたんじゃないかなと思うくらいです(笑)
また、余談ですが、食もめちゃくちゃ合っていて、なんと滞在期間中荒れてた肌が綺麗になったんですよ(笑)広島に戻ってきて、また肌荒れが再開しててこれはなんなんだろうと思っています…。
高野山寺領森林組合が主催する森林ツアーにて。星空が印象に残っています
やっぱり1泊2日ではなく3週間の滞在だからこそ?
その通りです。1泊2日の旅行とは全然違うと思います。だから、この(滞在型就労の)システムすごい!と思ってます。宿坊やFOREST BLIEでお掃除しながら、そんなことを考えていました。
ゆっくり滞在したからこそ得られた気づき・発見は?
たくさんありました!
まず、「自然」と「信仰・宗教」が繋がってるのが面白いなと思いました。昔の人は、自然の中で修行をしていたと思うと、自分もその中に身を置くことで同じように修行をしている感覚になれました。また、自分自身噛めば噛むほど面白い人間になりたいと思いました。高野山という場所がそうだから、ですかね。
あとは、自分が向かうべき方向の解像度が上がりました。本当に心が動く方にちゃんと進もうって思えました。きっと空海さんが導いてくれたんだなと思います。
高野山で出会った人との思い出・エピソードは?
色々あります。まず、FOREST BLUEのスタッフのお姉さん達の仕事への姿勢や熱量の高さが、とってもかっこよくて感動しました。あと、お坊さんと絡む機会もあったんですけど、一つ一つの所作が美しくて丁寧なことにも感動しました。街の人もすごく楽しそうに仕事しているように見えて印象的でした。「自分が幸せって思うから幸せになるんよ」ということを言ってくれた方もいて、本当に素敵な人しかいないな!と。
今回の高野山の体験を総括すると?
食べ物、人、住む場所、仕事、全てにおいてパーフェクト!
高野山デジタルミュージアム「カフェ雫」の精進カレー&猿田彦珈琲「高野山ブレンド」
このインタビュー記事を読んでいる人におすすめポイントをどうぞ。
そうですね、なんというか、一旦立ち止まれる機会になると思います。日々が忙しいと矢印が外に向いてしまうというか、自分自身を見つめる機会を持ちづらいのかなと。都会の喧騒から離れて、自然の中で自分優先で過ごすことのできる時間がここにはあります。非日常の中で、色々な人との出会いや仕事、体験を通じて、間違いなく自分の今後にプラスになる気づきを得ることができると思います。
思い出の一枚。夜の壇上伽藍の光景が心に刻まれています